『製本界』今月の話題

2008年11月号

労働基準監督署調査の臨検監督の際の指摘ポイントと対応
株式会社コンサルティング・オフィス
中小企業診断士 神田幸男
   

今月号の「労務何でもQ&A」は、先月に引き続き「労働基準監督署調査の臨検監督の際の指摘ポイントと対応について」回答・解説いたします。

Q1 「労働基準監督署調査の臨検監督の際の指摘ポイントと対応策について回答、解説をお願いいたします。」


A1 労働基準監督署調査の臨検監督の際の指摘ポイントについて、その内容と対応策の解説を行います。


(7)法定労働時間と労働時間の管理等とは?
  法定労働時間は変形労働時間を採用している場合を除き、1週間40時間、1日8時間となっています。
  労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等について規定を設けていることから使用者は、労働時間を適正に管理する義務があります。タイムカード、ICカード等により始業及び終業時刻を把握し割増賃金の未払いや、長時間労働といった問題が生じている場合は改善しなければなりません。


(8)休憩・休日・休暇の管理は適切か?
@ 休日の管理は適切ですか?
 使用者は少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。  4週4日制を採用する場合は、就業規則等により4週の起算日を明らかにし、またできる限り特定しなければなりません。
A 休憩時間の管理は適切ですか?
 使用者は、労働時間が6時間を超える場合は 45 分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を労働時間の途中に与えなければなりません。休憩時間については、「労働時間の途中に与えること」、「自由に利用させること」、「一斉に与えること」の原則があります。
B時間外・休日労働(36協定)は届出されていますか?
 時間外・休日労働協定(36協定)を締結し、所轄労働基準監督署に届出ることを要件として、法定労働時間を超える時間外労働及び法定休日における休日労働を認めています。 労働基準法では、時間外労働・休日労働を無制限に認めているわけではありません。時間外労働・休日労働は必要最小限にとどめられるべきもので、労使がこのことを十分に理解したうえで、36協定を締結する必要があります。
C時間外労働の賃金・割増料金に関する是正勧告について
 労働時間が法定労働時間を超えた場合には、その超えた時間について割増料金を支払う必要があります。

  • ・1日の法定時間外労働
     就業規則又は労使協定で1日8時間を超える時間を定めた日はその時間、それ以外の日は8時間 を超えて労働した時間
  • ・1週間の法定時間外労働
     就業規則又は労使協定で1週40時間を超える時間を定めた週はその 時間、それ以外の週は1週40時間を超えて労働した時間
  • ・対象期間の法定時間外労働
     対象期間の法定労働時間の総枠 「40時間×対象労働期間の暦日数÷7」を超えて労働した時間 時間外労働
  • ・休日労働につい ては、割増賃金の支払が必要です。時間外割増賃金の割増率25%以上、休日労働の割増率は35 %以上です。
 なお土曜日と日曜日を休日とするような週休2日制を採用している事業場については、1週間に休日が2日あるため、どの休日の労働に対して35%以上の割増率で支払うのかを就業規則に明記しておく必要があります。  割増賃金の計算の基礎となる賃金には、「通勤手当」「家族手当」「別居手当」「子女養育手当」「住宅手当」「臨時に支払われた賃金」などは算入されません。割増賃金の基礎になる賃金に含まれるかどうかは、名称ではなく内容により判断されます。


○年俸制の従業員には割増賃金を支払わなくてもよいのか?
 年俸制をとっているからといって、割増賃金を支払わないでよいことにはなりません。また、確定年俸の場合は、賞与として支払われる年俸の一部も割増賃金算定基礎に含みます。


○月給制の場合は割増賃金を定額払いでもよいのか? 
  月給の他に、営業手当、業務手当などの名称で定額の割増賃金を支払っている場合でも、勤怠管理のうえ、定額で支払っている割増賃金の時間を超える残業がある場合は、その超過分について支払う必要があります。


(9)定期健康診断は毎年実施されていますか?
  労働者に対し、1年間に1回の定期健康診断を実施しなければなりません。