『製本界』今月の話題

2008年11月号

手帳が持つ特殊性を活かして
 
手帳部会長 吉澤 晃

 この度、前任の竹内手帳部会長の後任として、手帳部会長の大役を仰せつかりました。部会の運営につきましては、試行錯誤で進めておりますが、竹内前部会長は同じ浅草支部で新支部長となられ、互いに新しい役割に対して助け合いながら、頑張っていく所存でございます。甚だ恐縮でございますが、組合員の皆様には多大なるご協力をお願いいたします。

 さて、4月に専門委員会を今回全国大会が行われた石川県金沢で開催し、全国大会の分科会においても、手帳部会各社の現況、課題が活発に話し合われました。

 手帳業界の昨年の受注数量は微増又は横ばいの会社が大半でありましたが、今年は各社とも、昨年よりもかなりの減少傾向にあると聞いております。又、最近でこそ下がりましたが、原油高に関連した諸材料の高騰、用紙の値上げ、得意先の品質要求の厳格化によるコスト高、その他の要因で近年来の低水準の利益率を維持するのが精一杯の現状です。個人情報保護や環境問題に対する対応、社員教育や労働力の問題等、取り巻く環境は、他の製本業界と同様に大変厳しくなっております。

 最近の社会経済状況は目まぐるしく変化しており、昨年のサブプライムローンの問題が、こんなに早く、今年9月の米国発の金融危機となり、世界同時株安や実体経済の悪化を招くとは予想もしておりませんでした。そもそも我々中小企業は、大企業の好景気の恩恵が、2、3年後に感じると聞いておりましたが、感じる事も無いうちに、不況に入ろうとしており、仕事量においても、それは確実に現れております。

 手帳部会は現在、東京が13社、大阪、名古屋、仙台を合わせても、20数社の少数世帯となっております。手帳の製本は、かなり特殊な部類に入ると思われ、業者数が少ないのも、大企業の参入の無いのも、その為だと思われます。全てサイズがまちまちで、仕様も工程も異なり、機械化がなされているとはいえ、工程が複雑で手作業とは言いませんが、かなりそれに近いものがあると思います。又、昔ほどでは無いにしろ、季節性が非常に高く、とても新規で手帳製本に参入しようなどとは思わないのかもしれません。

  しかし私達は、その特殊性を逆に取って独創性のある、良い製品を生み出していき、製本組合の皆様と共に発展していけるように、努力して行きたいと思っております。